「最近、賃貸の家賃が高くなった気がする……」
「今引っ越した方がいい?それとも待った方がいい?」
「更新のときに家賃を値上げされたらどうすればいい?」
2026年、賃貸住宅を探している人にとって「家賃上昇」は無視できないテーマになっています。
特に都市部では募集家賃の上昇が続いており、これまでと同じ予算・同じ条件で部屋を探そうとしても、希望する物件が見つかりにくくなっているケースがあります。
そこで今回は、2026年の家賃動向と今後の見通し、家賃上昇時代に失敗しない部屋探しのポイントを、不動産の視点から分かりやすく解説します。
1.2026年、賃貸の家賃は本当に上がっている?
結論からいうと、多くの都市部で募集家賃は上昇傾向にあります。
アットホームが2026年7月27日に公表した「2026年6月 全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」によると、マンションの平均募集家賃は、首都圏全エリアに加えて名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、福岡市の計10エリアで、すべての面積帯が前年同月を上回りました。
特に注目したいのが東京23区です。
シングル向きマンションでは、25カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新しています。
アパートについても、シングル向きは4カ月連続ですべての調査エリアで前年同月を上回っています。
2.なぜ家賃が上がっているの?
家賃上昇には、一つではなく複数の理由があります。
① 建築費・修繕費の上昇
建築資材、人件費、設備機器などの価格上昇は、新築住宅だけの問題ではありません。
既存の賃貸住宅でも、次のような維持費が発生します。
- 外壁や屋根などの修繕
- 給湯器の交換
- エアコンなど設備機器の交換
- 退去時の原状回復
- 共用部分の清掃・維持管理
こうしたコストの上昇が、徐々に賃貸経営にも影響しています。
② 物価上昇
賃貸住宅も、経済全体の物価上昇と無関係ではありません。
総務省が毎月公表している消費者物価指数(CPI)でも、さまざまな商品・サービスの価格動向が確認されています。
管理費、清掃費、修繕費、設備費などが上昇すれば、大家さん側の負担も増えていきます。
③ 住宅価格の上昇
住宅価格の高騰も賃貸市場と無関係ではありません。
購入価格が高くなり「今は家を買わず、しばらく賃貸に住もう」と考える人が増えると、条件の良い賃貸住宅に需要が集まりやすくなります。
特に人気が集まりやすい条件
- 駅近
- 築浅
- 生活利便性が高い
- 設備が充実している
④ 金利上昇の影響
借入金を利用して賃貸住宅を所有しているオーナーの場合、金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。
もちろん、金利が上がったからといって自動的に家賃を上げられるわけではありません。
ただし、建築費・修繕費・物価・金利などが同時に上昇すると、賃貸経営全体のコストを押し上げる要因になります。
3.家賃は今後も上がる?
ここからは将来予測になりますが、少なくとも人気エリアでは、急激に家賃が下がることを前提に部屋探しをするのはおすすめしにくい状況です。
特に次のような物件は、需要が集中しやすい傾向があります。
- 東京23区などの大都市
- 主要ターミナル駅周辺
- 駅徒歩5~10分以内
- 築浅物件
- 単身者向け人気物件
- ファミリー向け物件
- ペット可物件
一方で、日本全国すべての地域で同じように家賃が上昇するとは限りません。
人口動態、住宅供給、再開発、企業進出、大学や工場の移転などによって、賃貸市場は地域ごとに大きく異なります。
4.2026年注目の「ずらし駅」という考え方
家賃上昇時代の部屋探しで注目したいキーワードが、「ずらし駅」です。
希望している人気駅の家賃が高ければ、隣駅や2~3駅先まで検索範囲を広げてみます。
仙台駅徒歩圏だけで探す
↓
地下鉄・JRで数駅広げて探す
東京の人気駅だけで探す
↓
同じ沿線で2~3駅離して探す
通勤時間が10分程度増えたとしても、家賃が月8,000円安くなれば大きな違いになります。
2年間なら 192,000円
駅を少し変えるだけで、生活の満足度を大きく落とさずに住居費を抑えられる可能性があります。
5.「駅徒歩5分」を「10分」に変えてみる
もう一つおすすめなのが、徒歩分数を少し緩める方法です。
駅徒歩5分以内
↓
駅徒歩10分以内
わずか5分の違いですが、検索対象になる物件数が増える可能性があります。
さらに、次のような視点でも比較してみましょう。
- 自転車を利用できるか
- バス路線が充実しているか
- スーパーやコンビニが近いか
- 職場までのドア・ツー・ドアの時間はどうか
「駅徒歩○分」だけで判断するのではなく、実際の生活時間=タイパで考えるのがポイントです。
6.「築浅」にこだわりすぎない
家賃を抑えたい場合、築年数を少し広げるのも効果的です。
築5年以内
↓
築15年以内まで広げる
築年数が経過していても、次のように設備が充実している物件はあります。
- 内装リフォーム済み
- エアコン交換済み
- 温水洗浄便座
- モニター付きインターホン
- 宅配ボックス
- インターネット対応・無料
7.家賃だけでなく「総住居費」で比較する
家賃上昇時代には、表示されている家賃だけで判断しないことも重要です。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 家賃 | 70,000円 |
| 管理費 | 5,000円 |
| 駐車場 | 10,000円 |
| 合計 | 85,000円 |
さらに物件によっては、次の費用が発生することがあります。
- インターネット代
- 町内会費
- 保証会社の更新費用
- 更新料
- 24時間サポート費用
- 火災保険料
- 駐輪場代
逆に家賃が少し高くても、インターネット無料・駐車場無料・更新料なしなら、トータルでは安くなる可能性があります。
8.家賃1万円の差は意外と大きい
「気に入ったから、予算より1万円高いけどいいか」と思うこともあるでしょう。
2年間では 240,000円
月5,000円の差でも、2年間では12万円になります。
賃貸住宅は毎月支払う固定費なので、小さな差が長期間では大きな金額になります。
9.家賃を抑えるなら「条件を全部下げる」必要はない
家賃が高くなったからといって、「狭い・古い・遠い物件にするしかない」というわけではありません。
おすすめなのは、希望条件を3段階に分ける方法です。
| 優先度 | 例 |
|---|---|
| 絶対に譲れない | 家賃8万円以内・2階以上・バストイレ別 |
| できれば欲しい | 駅徒歩10分以内・築10年以内・宅配ボックス |
| なくても困らない | 南向き・最上階・新築 |
このように整理すれば、生活の満足度を大きく下げずに家賃を調整できます。
10.更新時に「家賃値上げ」の通知が来たら?
最近気になるのが、「更新時に家賃を上げると言われた」というケースです。
貸主から値上げの通知が来たからといって、その場ですぐ判断するのではなく、まず内容を確認しましょう。
- いくら値上げされるのか
- 値上げの理由は何か
- いつから変更されるのか
- 現在の賃貸借契約はどうなっているか
- 周辺の家賃相場と比較して妥当か
疑問がある場合は、管理会社や貸主に説明を求めることが大切です。
家賃改定には契約内容や借地借家法など法律上の問題も関係します。
値上げ通知だけを見て判断せず、契約内容と周辺相場を確認しましょう。
11.「今は高いから待つ」は正解?
これは非常に難しい問題です。
家賃が下がるまで引っ越しを待つ方法もありますが、「半年後なら必ず安くなる」という保証はありません。
一方、引っ越す必要性が低いのであれば、現在の住居に住み続けることも立派な選択肢です。
なぜなら引っ越しには、家賃以外にも次のような費用が発生するからです。
- 仲介手数料
- 保証会社費用
- 火災保険
- 引っ越し代
- 鍵交換費用
- 新しい家具・家電
引っ越しによって家賃が月5,000円安くなる
しかし引っ越しに30万円かかる
↓
30万円 ÷ 5,000円 = 60カ月
単純計算では、費用を回収するまで約5年かかります。
「家賃が安いから引っ越す」のではなく、「引っ越し総額まで含めて得なのか」を計算することが大切です。
12.これからの部屋探しは「100点」より「80点」
家賃が上昇している市場では、
駅近 + 築浅 + 広い + 設備充実 + 家賃も安い
という100点満点の物件を探し続けると、なかなか決められない場合があります。
そこでおすすめしたいのが、「80点なら検討する」という考え方です。
- 駅徒歩5分ではなく9分だけど、家賃が8,000円安い
- 築18年だけど、室内はリフォーム済み
- 1駅離れるけれど、スーパーが近い
13.2026年の部屋探しで覚えておきたい7つのポイント
- 人気エリアの家賃は高止まりする可能性を考える
- 希望駅だけでなく「ずらし駅」も検索する
- 駅徒歩5分→10分など条件を少し広げる
- 築年数だけでなく室内状態を見る
- 家賃ではなく「総住居費」で比較する
- 譲れない条件を3つ程度に絞る
- 気になる物件は周辺相場も確認する
特に重要なのが、「家賃・場所・広さ・築年数」の4つを同時に求めすぎないことです。
| 優先したい条件 | 調整する条件 |
|---|---|
| 場所を優先 | 広さ・築年数を調整 |
| 広さを優先 | 駅距離を調整 |
| 築浅を優先 | エリアを調整 |
| 家賃を優先 | 駅・築年数を調整 |
まとめ|家賃上昇時代は「探し方」を変える
2026年の賃貸市場では、都市部を中心に家賃上昇が目立っています。
今後については地域差があるため一概には言えませんが、人気エリア・駅近・築浅など需要の強い物件については、家賃が簡単に下がることを前提にしない方がよいでしょう。
だからといって、必要以上に焦って契約する必要もありません。
「ずらし駅」「徒歩分数」「築年数」「広さ」などを少しずつ調整するだけでも、選択肢は大きく広がります。
そして物件を比較するときは、毎月の家賃だけではなく、初期費用+月額費用+更新費用を含めたトータルコストで考えてみてください。
家賃上昇時代だからこそ、「何となく部屋を探す」のではなく、自分にとって本当に必要な条件を整理してから探すことが、後悔しない部屋選びにつながります。
※家賃相場や募集状況は地域・物件・時期によって異なります。また、家賃改定に関する取り扱いは個別の契約内容などによって異なるため、具体的なケースについては契約書や管理会社等へご確認ください。

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