都市ガスとプロパンガス
賃貸では月いくら違う?
一人暮らし・二人暮らし・家族の料金差から、
入居前の見分け方、契約前に確認すべき項目まで解説します。
「プロパンガス高すぎ」「一人暮らしなのにガス代が1万円」
「次は都市ガス物件に住みたい」――SNSや検索では、
ガス代に関するこんな悩みが目立ちます。
賃貸物件を探すときは家賃や初期費用に目が向きがちですが、
ガス代も毎月続く住居費の一部です。
家賃が数千円安くても、プロパンガスの料金差で
節約分が消えることがあります。
POINT
同程度の熱量を使う前提では、プロパンガスのほうが
都市ガスより月約2,600円〜7,200円高くなる試算例
があります。1年間では約3万円〜8万6,000円の差です。
【結論】月約2,600〜7,200円の差が出る例も
都市ガスとプロパンガスは、1㎥当たりの熱量が違います。
プロパンガス1㎥は都市ガス約2.23㎥分の熱量に相当するため、
単純に「同じ使用量」で比べると正確ではありません。
東京ガスが、プロパンガスの使用量に2.23を掛けて
熱量をそろえた2026年4月の試算は次のとおりです。
月2,616円差
年31,392円差
月4,069円差
年48,828円差
月7,158円差
年85,896円差
| 世帯の目安 | 都市ガス | プロパンガス | 1か月の差 | 1年間の差 |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 11㎥・2,571円 | 5㎥・5,187円 | 2,616円 | 31,392円 |
| 二人暮らし | 22㎥・4,354円 | 10㎥・8,423円 | 4,069円 | 48,828円 |
| 4人家族 | 44㎥・7,653円 | 20㎥・14,811円 | 7,158円 | 85,896円 |
※都市ガスは東京ガスの一般料金(東京地区等)、
プロパンガスは東京都の平均価格を使った試算です。
地域・契約会社・使用量・給湯設備・季節によって
実際の請求額は変わります。
全国のプロパンガス平均も確認しておこう
石油情報センターの2026年6月調査では、
基本料金と消費税を含むプロパンガスの全国平均は次のとおりです。
| 使用量 | 全国平均料金 |
|---|---|
| 5㎥ | 5,925円 |
| 10㎥ | 9,697円 |
| 20㎥ | 16,892円 |
都道府県による差も大きく、同じ使用量でも料金は一律ではありません。
全国平均だけで判断せず、検討中の建物に適用される
「基本料金」と「従量単価」を確認することが重要です。
家賃が安いプロパンガス物件は、本当にお得?
賃貸では、家賃だけでなく次の合計で比べるのがポイントです。
= 家賃+管理費+ガス代+電気代+水道代+通信費など
たとえば、二人暮らしで次の2物件を比べてみます。
家賃 7万6,000円
家賃 8万円
Aは家賃が月4,000円安く見えます。
しかし、前述の試算ではガス代の差が月4,069円です。
同じ程度のお湯を使うなら、家賃差はほぼ消えます。
反対に、ガスの使用量が少なく、プロパンガス物件の家賃が
大幅に安い場合は、総額で有利になることもあります。
「プロパンガスだから絶対に避ける」のではなく、
家賃と光熱費を合わせて比較するのが合理的です。
なぜプロパンガスは高くなりやすい?
1.配送・交換・保安に費用がかかる
都市ガスは道路下の導管から供給されます。
一方、プロパンガスは各建物へボンベを運び、
交換・点検する必要があるため、配送費や人件費が
料金に反映されやすくなります。
2.建物ごとに契約条件が違う
プロパンガスは自由料金で、事業者や建物によって
基本料金・従量単価が異なります。
同じ地域、似た間取りでも料金に差が出ることがあります。
3.賃貸ではガス会社を選びにくい
集合住宅は建物全体で供給会社が決まっていることが多く、
入居者一人の判断では会社を変更できないのが一般的です。
入居後に「高い」と気づいても、選択肢が限られます。
4.基本料金だけでなく「設備料金」にも注意
2025年4月2日から、LPガス料金は
「基本料金・従量料金・設備料金」の3項目に整理して
通知するルールが全面施行されました。
設備料金に金額があったら確認
何の設備の費用なのかを確認しましょう。
2025年4月2日以降に締結するLPガス販売契約では、
賃貸住宅の設備料金は、入居者との事前の合意がない限り
原則として負担しない扱いです。
都市ガスかプロパンガスか、入居前に見分ける5つの方法
1.物件情報の「ガス」欄を見る
SUUMO、HOME’S、at homeなどの物件ページで
設備欄を確認します。
- 「都市ガス」:都市ガス
-
「プロパンガス」「LPガス」「個別プロパン」「集中プロパン」
:プロパンガス
「ガス」とだけ書かれている場合や記載がない場合は、
推測せず不動産会社へ確認してください。
2.建物の外にガスボンベがあるか確認する
敷地内や建物脇に灰色のガスボンベが並んでいれば、
プロパンガスの可能性が高いでしょう。
ただし、集中供給方式では建物のすぐ近くに
ボンベが見えないこともあります。
3.ガスメーターや配管の表示を見る
メーター周辺に「LPガス」「LPG」などの表示があれば
プロパンガスです。「13A」などは都市ガスの種類を示します。
立入禁止場所へ入らず、共用部から確認できる範囲にとどめましょう。
4.募集図面・重要事項説明書を確認する
広告の設備欄だけでなく、募集図面や契約前の説明書類でも
供給方式を確認します。
最終的には書面と不動産会社の回答を優先してください。
5.不動産会社へ「種類+料金表」を聞く
プロパンガスなら、次の項目まで確認しましょう。
- ガス会社名
- 月額の基本料金
- 1㎥当たりの従量単価
- 設備料金の有無と内訳
- 保証金・開栓費用の有無
- 値上げ時の通知方法
- 同じ間取り・同程度の人数の使用例
不動産会社へ送る確認メッセージ
この確認は、申込み後ではなく、
できれば申込み前、遅くとも賃貸借契約前
に行いましょう。
都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリット
| 比較項目 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 料金 | 一般に安い傾向 | 高くなりやすく、会社・建物差も大きい |
| 供給方法 | 地下の導管 | 建物ごとのボンベ・供給設備 |
| 利用エリア | 導管のある地域に限られる | 全国の幅広い地域で利用しやすい |
| 災害時 | 導管の安全確認に時間がかかる場合がある | 建物単位で点検・復旧しやすい傾向 |
| 料金確認 | 比較的確認しやすい | 基本料金・従量単価・設備料金の確認が重要 |
| 賃貸での変更 | 小売事業者を選べる場合がある | 建物一括契約が多く、個人変更は難しい |
プロパンガスには、都市ガスの導管がない地域でも使えることや、
災害時に建物単位で復旧しやすいという利点があります。
料金だけでなく、エリアや防災面も含めて判断しましょう。
都市ガス物件を優先したい人
- 湯船につかる回数が多い
- 追い焚きをよく使う
- シャワー時間が長い
- 二人暮らし・同棲・ファミリー世帯
- ガス温水式の床暖房や浴室暖房を使う
- 寒冷地で給湯の使用量が増えやすい
- 家賃だけでなく固定費全体を抑えたい
短時間のシャワーが中心で、自炊も少なく、
プロパンガス物件の家賃が十分安い場合は、
総額で有利になる可能性があります。
よくある質問
一人暮らしなら、家賃が何円安ければ
プロパンガス物件でもよい?
今回の試算では、一人暮らしの料金差は月2,616円です。
家賃・管理費が都市ガス物件より月3,000円以上安ければ、
差を吸収できる可能性があります。
賃貸でプロパンガス会社を変更できる?
集合住宅では建物全体で契約していることが多く、
入居者が個別に変更するのは一般に困難です。
まずは管理会社または貸主へ相談します。
入居後にプロパンガスから都市ガスへ変えられる?
導管の引込みや建物設備の変更、貸主の承諾が必要になるため、
入居者だけでの切替えは現実的ではありません。
プロパンガス代が高すぎると感じたら?
請求書で使用量、基本料金、従量料金、設備料金を確認し、
契約時の料金表と照合しましょう。
説明に納得できない場合は、消費者ホットライン
「188」への相談も選択肢です。
まとめ|家賃ではなく「毎月の総額」で選ぼう
-
一人暮らし:
月2,616円・年31,392円の差 -
二人暮らし:
月4,069円・年48,828円の差 -
4人家族:
月7,158円・年85,896円の差
プロパンガス物件でも、家賃が十分安い、立地がよい、
防災面を重視したいなど、選ぶ理由はあります。
大切なのは、家賃・管理費・ガス料金・初期費用を含む
総額で比較することです。

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