InstagramやTikTok、X、YouTubeなどで、理想的な部屋やおしゃれな暮らしを見つける人が増えています。
「#部屋探し」「#賃貸暮らし」「#一人暮らし」「#オンライン内見」「#初期費用を抑えたい」といったキーワードから、物件探しを始める方も多いのではないでしょうか。
一方、SNSの短い動画や写真だけでは、家賃以外の費用、騒音、周辺環境、建物の管理状態まで判断できません。Googleマップの口コミについても、星の数だけで決めるのは危険です。
この記事では、SNSとGoogleマップを上手に使いながら、賃貸物件と不動産会社を見極める方法を宅建士の視点から解説します。
SNSは「物件を見つける場所」、Googleマップは「実際の生活を確認する場所」、不動産会社は「最新の募集状況と契約条件を確認する場所」として使い分けることが、失敗しない部屋探しの基本です。
SNSで部屋を探す人が増えている理由
SNSの魅力は、物件情報サイトでは伝わりにくい「実際の生活」をイメージしやすいことです。
縦型の短い動画なら、玄関から居室までの動線、キッチンの広さ、収納の奥行き、窓からの眺望などを短時間で確認できます。
Z世代を対象とした調査では、約67%がSNSで部屋を探した経験があり、住みたい街の情報収集ではGoogleマップも広く利用されています。また、約85%が部屋探しから契約までスマートフォンで完結できることを望んでいると回答しています。
SNSで見つける
気になる物件や街を発見する
Googleマップで調べる
周辺環境と移動経路を確認する
不動産会社に確認する
空室状況・費用・契約条件を確認する
SNS、Googleマップ、不動産会社の3つを使い分けることで、情報の偏りを減らし、失敗しにくい部屋探しができます。
1.SNSの「映える部分」だけで判断しない
SNSに投稿される物件では、一般的に次のような魅力が強調されています。
- デザイナーズ物件
- 新築・築浅物件
- 白い内装やホテルライクな部屋
- 広いルーフバルコニー
- 独立洗面台や対面キッチン
- ペット可・猫可物件
- 仲介手数料無料、敷金・礼金なし
- 駅近、都心、タワーマンション
もちろん、これらは物件選びの大切な要素です。
しかし、動画では部屋を広く見せるために広角レンズを使っていたり、生活音の入りにくい時間帯に撮影していたりすることがあります。
- 実際の専有面積
- 天井高と梁の位置
- 収納の内寸
- 冷蔵庫・洗濯機置場の寸法
- コンセントの位置
- 携帯電話の電波状況
- 共用廊下やゴミ置場の状態
- 隣室・上階・道路からの音
- 日当たりと西日の強さ
- インターネット回線の種類
写真や動画の印象だけで決めず、毎日の動線、寸法、音、通信環境など、実際の暮らしに関係する項目を確認しましょう。
2.投稿された日付と現在の募集状況を確認する
SNSで気になる物件を見つけたら、最初に投稿日時を確認してください。
賃貸物件は入れ替わりが早く、数日前の投稿でも、すでに申し込みが入っていることがあります。過去の投稿が削除されず、そのまま残っているケースもあります。
不動産公正取引協議会連合会は、存在しない物件、取引できない物件、実際には取引する意思がない物件の広告を「おとり広告」として禁止しています。
問い合わせ例
この物件は現在も募集中ですか?
募集中であれば、号室、入居可能日、初期費用の明細を教えてください。
「あります」とだけ回答された場合は、物件名、号室、家賃、管理費、入居可能日まで確認しましょう。
3.「家賃の安さ」ではなく総額で比較する
SNSでは、「家賃5万円」「敷金礼金ゼロ」「仲介手数料無料」など、目を引く金額が大きく表示されることがあります。
しかし、実際の契約では次の費用が加わる場合があります。
- 管理費・共益費
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 24時間サポート費用
- 消毒・抗菌施工費
- 退去時クリーニング費用
- 短期解約違約金
- 更新料・更新事務手数料
比較するときは、費用を次の3つに分けて考えるのがおすすめです。
敷金、礼金、仲介手数料、保証料、保険料など、契約前に必要となる初期費用の総額です。
家賃だけでなく、管理費、月額保証料、24時間サポート費なども含めて確認します。
更新料、更新事務手数料、短期解約違約金、クリーニング費用などを確認します。
見積書は項目ごとに確認し、不明な費用については契約前に説明を受けましょう。可能であれば、2年間の支払総額でも比較してください。
4.Googleマップで「毎日の生活」を確認する
Googleマップは、駅からの距離を見るだけのものではありません。
物件周辺を表示して、次の施設を検索してみましょう。
- スーパー・コンビニ
- ドラッグストア
- 病院・クリニック
- 銀行・郵便局
- 飲食店
- コインランドリー
- 保育園・学校
- 警察署・交番
- 避難所
- バス停・駐輪場
- 月極駐車場
駅までの「実際の移動経路」を見る
特に重要なのは、物件から駅や勤務先までの実際の移動経路です。
徒歩分数だけでなく、坂道、踏切、歩道橋、大きな交差点、暗い道路なども確認してください。地図上では近く見えても、線路、河川、高速道路などで遠回りになることがあります。
5.Googleマップの口コミは「星」より内容を見る
不動産会社を選ぶ際、Googleマップの口コミは参考になります。しかし、「星4.9だから安心」「星3.0だから危険」と単純に判断することはできません。
具体的な内容が書かれているか
「よかったです」だけでは、詳しい状況が分かりません。
- 質問への回答が早かった
- 初期費用を項目別に説明してくれた
- 物件のデメリットも教えてくれた
- オンライン内見で収納内部まで見せてくれた
- 入居後のトラブルにも対応してくれた
このように、具体的な場面が書かれた口コミの方が参考になります。
最近の口コミがあるか
数年前の高評価より、直近数か月の対応状況を確認することが重要です。担当者や店舗の運営体制が変わっている可能性もあります。
高評価と低評価の両方を見る
低評価が一件あるだけで候補から外す必要はありません。
不満の内容が「希望物件がすでに成約していた」なのか、「説明のない費用を請求された」なのかでは、重要度が異なります。
会社側の返信内容を見る
問題が起きたとき、感情的に反論していないか、事実確認や改善の姿勢があるかを確認しましょう。口コミへの返信には、その会社の接客姿勢が表れやすくなります。
6.建物名と住所でも検索する
不動産会社の口コミだけでなく、物件名や住所でも検索してみましょう。
- 「物件名 口コミ」
- 「物件名 騒音」
- 「物件名 事故」
- 「物件名 インターネット」
- 「物件名 管理会社」
- 「駅名 治安」
- 「町名 浸水」
- 「町名 住みやすさ」
ただし、検索結果やSNS投稿には、事実確認できない情報や個人の感じ方も含まれます。
「騒音がある」という投稿が一件あったとしても、部屋の位置、投稿時期、原因となった入居者などによって状況は異なります。気になる情報は、管理会社や仲介会社に確認しましょう。
7.防災情報はGoogleマップだけで終わらせない
Googleマップで便利な施設を確認した後は、洪水、内水、土砂災害、津波などの災害リスクも確認しましょう。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、防災情報、都市計画情報、周辺施設情報などを地図上で確認できます。
賃貸借契約の重要事項説明では、水害ハザードマップ上の物件所在地を説明することが義務化されています。ただし、説明を受けるのは契約直前になることもあります。
- 洪水・内水・土砂災害・津波のリスク
- 最寄りの避難所
- 避難所までの経路
- 物件がある階
- 電気設備や駐車場の位置
- 過去の浸水履歴
- 災害時の交通手段
8.契約前にオンライン内見または現地確認をする
遠方への転勤、進学、就職などで現地へ行けない場合は、オンライン内見を利用できます。
オンライン内見では、担当者に次の場所を映してもらいましょう。
- 玄関ドアと鍵
- 靴箱の内部
- キッチン収納
- 洗面台下の配管
- 浴室・トイレの換気設備
- クローゼットの奥行き
- エアコンの製造年
- コンセントとテレビ端子
- 窓からの眺望
- ベランダと物干し位置
- 共用廊下
- 郵便受け・宅配ボックス
- ゴミ置場
- 駐輪場・駐車場
- 建物前の道路
可能であれば、窓を開けたときと閉めたときの音の違いも確認してください。
2026年の調査では、部屋を決めるまでの内見件数は「2~3件」が31.6%で最多でした。候補をSNSや地図で絞り、比較したい物件を内見する方法が効率的です。
2026年の部屋探しは「必須」と「できれば」を分ける
希望条件をすべて満たす物件を探すと、予算を超えたり、対象物件が極端に少なくなったりします。
条件は、次の3段階に分けましょう。
家賃上限、通勤時間、バス・トイレ別、ペット可、2階以上など
築浅、南向き、独立洗面台、宅配ボックス、駅徒歩5分以内など
内装の色、建物の外観、追い焚き機能、ベランダの広さなど
2026年の調査では、「保証人不要」「二人入居可」の重視度が上昇する一方、「南向き」「追焚機能」は順位を下げています。
物価高や家賃上昇、猛暑、タイパ志向などによって、部屋探しの価値観も変化しています。SNSで人気の条件をそのまま選ぶのではなく、自分の生活に本当に必要かを考えてみましょう。
SNSで見つけた物件のチェックリスト
問い合わせや申し込みの前に、次の項目を確認してください。
- 投稿された日付は新しいか
- 物件名・所在地・号室が分かるか
- 家賃と管理費が分けて表示されているか
- 敷金・礼金・仲介手数料が分かるか
- 保証会社や火災保険の費用が分かるか
- 短期解約違約金がないか
- 図面と動画の間取りが一致しているか
- 初期費用の明細を出してもらえるか
- 宅建業者の会社名と免許番号を確認できるか
- 現在も募集しているか確認したか
- オンライン内見または現地内見ができるか
- Googleマップで周辺環境を確認したか
- ハザードマップを確認したか
一つでも不明な項目があれば、申し込み前に不動産会社へ質問しましょう。口頭だけでなく、メールやLINE、見積書など、確認内容が残る方法がおすすめです。
まとめ|SNSは入口、契約条件は書面で確認
SNSは、魅力的な物件や知らなかった街を見つけるための便利な入口です。Googleマップを組み合わせれば、駅までの経路や買い物環境、不動産会社の評判も調べられます。
ただし、写真、短い動画、口コミだけで契約を決めるのはおすすめできません。
- SNSの情報をそのまま信じず、現在の募集状況を確認する
- Googleマップと公的な防災情報で周辺環境を調べる
- 初期費用・月額費用・契約条件を書面で確認する
気になる物件を見つけたら、物件URLやSNSの投稿URLを保存しておきましょう。同じ物件を扱える不動産会社もあるため、別の会社に募集状況や初期費用を確認できる場合があります。
気になる物件のURLを
そのままお送りください
株式会社BIGHEARTでは、全国のお部屋探しについて宅建士にオンラインで相談できます。募集状況、初期費用、契約条件を確認しながら、お部屋探しをサポートします。
物件によっては0円

コメント