賃貸住宅に住んでいると、契約期間の満了が近づいた頃に届く「契約更新のお知らせ」。
案内に記載された「更新料」や「更新事務手数料」を見て、想像以上の出費に驚く方も少なくありません。
- 更新料とは何のために支払う費用なのか
- 更新料は必ず払わなければならないのか
- 更新時には、ほかにどのような費用がかかるのか
- 更新する場合と引っ越す場合では、どちらがお得なのか
この記事では、賃貸契約の更新料の仕組みから、更新時にかかる費用、契約書の確認ポイント、更新と住み替えの判断方法まで、不動産会社の視点で分かりやすく解説します。
賃貸の更新料とは?
更新料とは、賃貸借契約の期間が満了した後も、その物件に住み続けるために、契約更新時に貸主へ支払う費用です。
居住用の賃貸借契約では、契約期間が2年間に設定されていることが多く、2年ごとの更新時に更新料が発生するケースがあります。
更新料は、法律によって全国一律に定められている費用ではありません。
賃貸借契約書に更新料の支払いについて明確な記載がある場合に、契約内容に基づいて支払うことになります。
そのため、同じ地域や似たような物件であっても、更新料が必要な物件と不要な物件があります。
更新料の相場はいくら?
更新料の金額は物件や地域によって異なりますが、一般的には新しい家賃の0.5か月分から1か月分程度に設定されているケースが多く見られます。
| 地域 | 更新料の一般的な傾向 |
|---|---|
| 東京都 | 新賃料の1か月分程度が比較的多い |
| 神奈川県 | 新賃料の0.5~1か月分程度 |
| 埼玉県・千葉県 | 新賃料の0.5~1か月分程度 |
| 京都府 | 契約条件によって1か月分以上の場合もある |
| 大阪府など | 更新料を設定しない物件も比較的多い |
| 東北・北海道 | 更新料なしの物件も見られる |
地域の傾向だけで判断しないことが大切です。
実際の更新料は、必ず賃貸借契約書、重要事項説明書、更新案内などで確認してください。
更新時にかかる費用は更新料だけではない
賃貸契約の更新時には、更新料以外にも複数の費用が発生することがあります。
更新案内に記載された合計金額だけを見るのではなく、何のための費用なのかを一つずつ確認することが重要です。
1.更新料
賃貸借契約を更新し、そのまま物件に住み続けるために貸主へ支払う費用です。
2.更新事務手数料
契約更新に伴う書類作成や事務手続きの費用として、管理会社や不動産会社へ支払う場合があります。
金額は物件によって異なり、定額の場合もあれば、家賃の一定割合として設定されている場合もあります。
更新料と更新事務手数料は、支払先や目的が異なることがあります。両方請求される契約もあるため、契約書の記載を確認しましょう。
3.火災保険料
賃貸住宅向けの火災保険は、賃貸借契約と同じく2年契約になっていることがあります。
契約更新の時期に合わせて保険の満期を迎える場合は、火災保険の更新や再加入が必要です。
4.家賃保証会社の更新料
家賃保証会社を利用している場合、賃貸借契約の更新とは別に、保証契約の更新料が発生することがあります。
年1回支払うタイプや、契約更新時に支払うタイプなど、保証会社によって条件は異なります。
5.24時間サポートなどの更新費用
入居者向けの24時間駆け付けサービス、生活サポート、会員サービスなどに加入している場合、契約更新に合わせて費用が発生することがあります。
6.駐車場・駐輪場などの更新費用
住宅とは別に駐車場や駐輪場を契約している場合、そちらにも更新料や更新事務手数料が設定されていることがあります。
更新時にかかる総額をシミュレーション
家賃8万円の物件で、更新時に次の費用がかかるケースを考えてみましょう。
| 費用項目 | 金額の例 |
|---|---|
| 更新料 | 80,000円 |
| 更新事務手数料 | 11,000円 |
| 火災保険料 | 20,000円 |
| 保証会社更新料 | 10,000円 |
| 合計 | 121,000円 |
更新月には、通常の家賃も別途必要です。
家賃8万円の場合、更新関連費用と当月家賃を合わせて、20万円前後の支払いになる可能性があります。
契約更新の直前になって慌てないように、入居時から更新時期を把握し、毎月少しずつ準備しておくと安心です。
更新料は払わなくてもよい?
更新料を支払う必要があるかどうかは、基本的に賃貸借契約書の内容によって判断します。
契約書に、例えば次のような記載がある場合は、契約条件として更新料を支払うことになります。
「契約更新時に、借主は貸主に対して新賃料の1か月分を更新料として支払うものとする」
一方、契約書に更新料についての記載がないにもかかわらず、更新時に突然請求された場合は、その根拠を管理会社や貸主へ確認しましょう。
更新料、更新事務手数料、保証会社更新料は、それぞれ別の費用です。
「更新料がない物件だから更新時の支払いはゼロ」とは限らないため、注意が必要です。
更新のお知らせが届いたら確認すること
更新案内が届いたら、金額だけでなく、契約条件に変更がないか確認しましょう。
- 更新料はいくらか
- 更新事務手数料が別途かかるか
- 更新後の家賃や共益費に変更がないか
- 新しい契約期間は何年間か
- 火災保険の更新が必要か
- 保証会社の更新料はいくらか
- 24時間サポートなどの費用が含まれていないか
- 駐車場契約などに変更がないか
- 解約する場合の通知期限を過ぎていないか
特に、更新案内に家賃や共益費の値上げが記載されている場合は、値上げの開始時期、金額、理由を確認することが大切です。
更新前に家賃や更新条件は交渉できる?
更新料や家賃について、貸主や管理会社へ相談すること自体は可能です。
ただし、相談すれば必ず減額されるわけではありません。契約内容や周辺の家賃相場、入居状況などを踏まえて判断されます。
相談しやすい可能性があるケース
- 長期間にわたり入居している
- 家賃の滞納や近隣トラブルがない
- 同じ建物内に空室が多い
- 周辺の類似物件より家賃が高い
- 設備の老朽化など、条件面で不便がある
更新期限の直前ではなく、契約満了の2~3か月前を目安に相談すると、貸主側も検討しやすくなります。
「更新料を払いたくない」という伝え方よりも、周辺相場や現在の契約条件を確認したうえで、丁寧に相談することが大切です。
更新するか引っ越すか、どう判断する?
更新料が高いと、「これだけ払うなら引っ越した方がよいのでは」と考える方もいるでしょう。
しかし、引っ越しには更新費用以上のお金がかかる可能性があります。
更新する場合の主な費用
- 更新料
- 更新事務手数料
- 火災保険料
- 保証会社更新料
- 各種サポート費用
引っ越す場合の主な費用
- 新居の敷金・礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 保証会社の初回保証料
- 火災保険料
- 鍵交換費用
- 引越し業者の費用
- 家具・家電の購入費
引っ越しでは、物件によって家賃の4~6か月分程度の初期費用がかかる場合があります。
更新料だけを比較するのではなく、今後2年間で支払う住居費の総額で判断しましょう。
更新を選びやすいケース
- 現在の家賃が周辺相場より安い
- 立地や間取りに満足している
- 引っ越しの初期費用が高くなる
- 通勤や生活環境を変えたくない
引っ越しを検討しやすいケース
- 家賃や共益費が値上げされる
- 更新料を含めた負担が大きい
- 住まいが現在の生活に合わなくなった
- 設備や管理状態に不満がある
- より条件の良い物件が見つかっている
「更新料なし物件」のメリットと注意点
更新時の負担を抑えたい場合は、「更新料なし」の物件を選ぶ方法もあります。
更新料なし物件のメリット
- 長期間住む場合の負担を抑えやすい
- 更新時のまとまった出費を減らせる
- 将来の住居費を計画しやすい
更新料なし物件の注意点
- 家賃が周辺相場より高い場合がある
- 更新事務手数料は別にかかる場合がある
- 短期解約違約金が設定されている場合がある
- 保証会社や火災保険の更新費用は必要になる場合がある
「更新料なし」という条件だけで決めず、家賃、共益費、初期費用、更新事務手数料などを含めたトータルコストで比較しましょう。
更新料に関するよくある質問
いいえ。更新料の金額が法律で全国一律に決められているわけではありません。原則として、賃貸借契約書に更新料の定めがあるかどうかを確認します。
同じとは限りません。一般的に、更新料は貸主へ支払う費用、更新事務手数料は更新手続きを行う管理会社や不動産会社へ支払う費用として扱われます。契約書や請求書で支払先と内容を確認しましょう。
契約上は一括払いが基本ですが、支払いが難しい場合は、期限前に貸主や管理会社へ相談してください。分割払いに対応してもらえるかどうかは、物件や貸主の判断によります。
契約満了日までに退去が完了し、契約で定められた解約予告期間を守っている場合は、通常、更新料は発生しません。ただし、退去日が更新日を過ぎる場合や、解約通知が遅れた場合は、更新料や追加家賃が必要になる可能性があります。
契約満了日が近いにもかかわらず案内が届かない場合は、管理会社または貸主へ確認しましょう。住所変更や郵便物の未着などで、案内を受け取れていない可能性もあります。
まとめ|更新時は費用の内訳と契約条件を確認しよう
賃貸契約の更新時には、更新料だけでなく、更新事務手数料、火災保険料、保証会社更新料など、複数の費用がかかることがあります。
- 更新料は契約書の記載を確認する
- 更新料以外の費用も含めて総額を把握する
- 家賃や契約条件の変更がないか確認する
- 更新と引っ越しの費用を総額で比較する
- 不明な請求項目は支払う前に確認する
契約更新の直前になって慌てないよう、契約満了日の2~3か月前から、住み続けるか引っ越すかを検討しておくことが大切です。
更新費用を正しく理解し、現在の住まいや家賃相場と比較することで、納得できる住まい選びにつながります。
賃貸契約の更新や住み替えでお悩みの方へ
更新料が高い、現在の家賃が適正か分からない、更新するか引っ越すか迷っているなど、住まいに関するお悩みはお気軽にご相談ください。
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